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日常茶飯事とお仕事と

次工程はお客様、が生み出す小さな客づきあい

社長から、顧客という言葉が指す対象はなんだろう、という質問が社員の集まる場で投げかけられました。ある仕事をする際の「お客様」という言葉が指す対象は、立場や金銭の流れなど、いろんな要素や視点で様々に変わります。その場でも「正解はない」という前置きの上で質問が出された訳ですが……

私が最初に勤めた会社で新人教育を通して教えられた言葉に、「次工程はお客様」という言葉がありました。厳密な意味や意図するところは今でも理解しきれていないかも知れません。ですが、自分はこう解釈しました。「自社内や同僚だからといって、手を抜くこと無く、きちんと自分の仕事の成果物を相手に納めなさい」。そう思って、一応いままでやってきています。気を抜くとついつい忘れてしまいますが、失敗のたびにこの言葉を思い出して軌道修正するようにしています。

この言葉に当てはめると、広義のお客様、というのはそこらにゴロゴロいるわけで、自分たちと契約を結び、金銭のやりとりがある相手や、作り上げた者を最終的に利用される方々だけではなく、一連の作業の中で流動的に「お客様」が発生しては消え、が繰り返されているわけです。

もちろん、組織や集団という観点では、金銭の授受や契約関係のある集団との接し方と、集団内にいる個人同士の接し方を同じく扱うことはできません。しかし、少なくとも、身近な「自分の作業結果を受ける人たち」すなわち「次工程に待ち構えるお客様」すら丁寧に扱えない人間の集団が、契約関係のあるお客様集団にきちんとした対応ができるわけがありません。

まずは、身近な「お客様」とのつながりを丁寧に保っていくことから始めるというのも大事なんじゃないだろうか、とか思いながら話を聞いていました。

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