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日常茶飯事とお仕事と

企業内向けコラボツール「Chatter.com」

Chatter.comを試用してみた! ……ということで軽くレビュー的なメモを。


今やっている作業のリーダーさん*1が試してみようと誘ってくれたので、4人のチームで利用してみました。

salesforce chatter.com
https://www.chatter.com/jp/


Webから会社のメールアドレスで利用登録すると利用開始できます。利用登録すると、社内に存在するグループを選択/作成できるようになります。そこからグループを選択すると、まさに「少人数twitter」のような感じでつぶやき、返事をもらい、画像やファイル、URLを共有するといったことが可能になります。

登録時に企業アカウントのメールアドレスを使うことで、そのアカウントからの投稿は基本的にその企業内でしか参照できません。ただ、逆に、「同じ企業内であれば、登録さえすれば誰でも投稿内容を見ることができる」ため、twitterのようにあまり愚痴愚痴なネガティブ発言ばかりしていると、どこかで誰かに目をつけられたり、人間関係的な問題に発展する可能性もありますので注意が必要です。


詳しくは、下記のFAQサイトやchatterのサイトを参照してください。

chatter.com / FAQ
https://www.chatter.com/jp/faqs/


で、個人的な感想を書くと以下のような感じでした。

利用に際しての壁は社内だろうが社外だろうがあまり関係ない

この手のツールを利用するには、それぞれが情報を発信していく必要があります。要するに、情報が流れないコミュニティネットはいずれ誰も利用しなくなる、ということです。ですので、情報発信を積極的に全員がすすめていくか、だれか推進者がいなければ続きません。

今回のメンバーは、以下のような構成でした。

  • リーダー(推進者、プロジェクトマネージャー) : 30代後半男性。IT系学部出身。インターネットコミュニティへの参加や利用は積極的。比較的常識的なネットユーザー。最近であればtwitterFacebookも積極的に利用。新しいものは自分で試して評価するタイプ。
  • サブリーダー(プロジェクトリーダー) : 30代前半男性。IT系技術は独学で身につけ、がんばってはいるが常識的過ぎてある線を越えられないタイプ。twitterアカウントもあるようだがあまりアクティブではない。どちらかというと「mixiユーザー」。普段の発言も「無難なもの」が多い。自分の興味がある新しいものへの取り組みは深い。
  • メンバー : 40代女性。プログラミングに特化した技術者だが、インターネットコミュニティは避けているタイプ。興味が無いわけでは無いが積極的に手を出してこなかった。
  • メンバー(自分) : 30代後半男性。リーダーとIT系の経歴は比較的にているが、常識度が若干足りない。常時脱線気味。バカ発言が多い。


で、リーダーは比較的ネタをつぶやくけれど、サブリーダーさんはそれに追従するだけで自分からはあまり発言しない(これは個人の性格の問題かと)。女性メンバーは「書いていいのか悪いのか判断が付かない」という理由でおそるおそる……という感じ。


結局、今は下火になってしまっています。チーム自体が社内で若干特殊な位置づけにあること、また、自社内への不満なども一部に抱えており、本音を書くとまずいことになる可能性も否めないことから、本当に「業務要件」のみになりがち。また、メンバーは4人すべて顔を合わせての作業であることから、あえてネットワーク越しに会話する必要がないこと。このあたりが原因でしょうか。


もう少し「遠隔地で顔を合わせづらい」という要素があれば、積極的に使わざるを得ない状況になったかもしれません。また、普段からtwitterや、ブログ、昔で言うならWeb掲示板への投稿などに対してネガティブな印象を持っている人にとっては、社内だろうが社外だろうが情報発信することへの恐怖感はぬぐえないのだなぁ…というのも感じました。

クライアントが重い

chatter.comには、Adobe Airで作成されたWindows用の公式クライアントソフトが用意されています。これが無ければWeb経由での投稿や閲覧しかできませんが、クライアントツールを使えば定期的にポーリングをかけて、twitterクライアントのような使い方が可能です。


ですが、個人的な感想を言わせてもらうと「重い」。少々非力な(といってもCore2Duo E6300+メモリ3GB)PCで開発作業を進めながらクライアントを開いていると、利用メモリを節約するためにクライアントを落とさざるを得なくなってしまいました。結果、投稿頻度や応答レスポンスが落ちてしまい、チームでの利用頻度を下げる片棒を担いでしまいました。

結論: 遠隔地でオープンな会話や情報共有には使えるが…使い方次第(当然か)

結論を言いますと、「悪いツール/仕組みではない」…ただし、社内とはいえ社内オープンであることから、発言内容などへの注意といったネットリテラシー的なものは必要なので、そのあたりを理解したメンバー同士が遠隔地で情報共有、という環境であれば十分使えると思います。


残念ながら、私の今の環境は「あまり社内に広めたくない話が多い」「全員が顔を合わせて作業する」という状況であることから、あまりメリットを享受できませんでした。

おまけ: 会社組織とchatter.com

あと、今回の利用、特に社内のネットワーク管理部門や上長への許可は取っていません。一応、HTTPS以外のブログ投稿やSNS投稿はWebフィルタリングではじかれ/記録されるという環境で、会社としてそうしたものは「監視しているよ」というスタンスは打ち出しているのですが、実際に「使ってもいいか」という相談を持ちかけたときにどういう反応をされるかわからなかったことから、チームとしてはあえて伏せたまま利用してみました(この辺はリーダーさんが悩んでいたところ)。私個人の意見もほぼ同じですが、個人的な利害だけで言うなら「あえて火をおこしてほかのサービス利用まで目を向けられて禁止されたらたまったものではない→伏せておいて正解」というのが本音です。
また、投稿データはchatter.com経由で戻ってくる形になることから、結局「一度社外に発言が流れるが、大丈夫なのか?漏洩しないのか?」という疑問が必ず返ってきます。これに対して自分たちが明確に「大丈夫です」といえないこと、また、かといって利用側にそうした状況をわかって利用するだけの良識があるか?と言う点もまったく保証できない*2ことから、あえて明示せずに試用してみました。


そのあたり、会社組織としてこうしたツールとどう向き合っていくのか?というところについては、我々は答えを出せていません。是非、中規模の組織や「日本的な古い考えの管理組織」がこういうツールをどう使っていっているか、どのように導入したか、という情報があれば参考にさせていただきたいものです。

*1:役割としてのプロマネって言葉あんまり好きじゃ無いのであえてリーダーと書きます。そのかわり、意味通りの「leader」を指してます。

*2:若手社員の中には、顧客名がうかがい知れる内容の発言をtwitterでやってしまっているようなのもいるし、それを回りは「見ていない」←そういうリスクがあることすらわかっていない。